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トップ  >  マタイによる福音書  >  マタイによる福音書 26章

◆イエスを殺す計略

1 イエスはこれらの言葉をすべて語り終えると、弟子たちに言われた。

2 「あなたがたも知っているとおり、二日後は過越祭である。人の子は、十字架につけられるために引き渡される。」

3 そのころ、祭司長たちや民の長老たちは、カイアファという大祭司の屋敷に集まり、

4 計略を用いてイエスを捕らえ、殺そうと相談した。

5 しかし彼らは、「民衆の中に騒ぎが起こるといけないから、祭りの間はやめておこう」と言っていた。



◆ベタニアで香油を注がれる

6 さて、イエスがベタニアで重い皮膚病の人シモンの家におられたとき、

7 一人の女が、極めて高価な香油の入った石膏の壺を持って近寄り、食事の席に着いておられるイエスの頭に香油を注ぎかけた。

8 弟子たちはこれを見て、憤慨して言った。「なぜ、こんな無駄遣いをするのか。

9 高く売って、貧しい人々に施すことができたのに。」

10 イエスはこれを知って言われた。「なぜ、この人を困らせるのか。わたしに良いことをしてくれたのだ。

11 貧しい人々はいつもあなたがたと一緒にいるが、わたしはいつも一緒にいるわけではない。

12 この人はわたしの体に香油を注いで、わたしを葬る準備をしてくれた。

13 はっきり言っておく。世界中どこでも、この福音が宣べ伝えられる所では、この人のしたことも記念として語り伝えられるだろう。」



◆ユダ、裏切りを企てる

14 そのとき、十二人の一人で、イスカリオテのユダという者が、祭司長たちのところへ行き、

15 「あの男をあなたたちに引き渡せば、幾らくれますか」と言った。そこで、彼らは銀貨三十枚を支払うことにした。

16 そのときから、ユダはイエスを引き渡そうと、良い機会をねらっていた。



◆過越の食事をする

17 除酵祭の第一日に、弟子たちがイエスのところに来て、「どこに、過越の食事をなさる用意をいたしましょうか」と言った。

18 イエスは言われた。「都のあの人のところに行ってこう言いなさい。『先生が、「わたしの時が近づいた。お宅で弟子たちと一緒に過越の食事をする」と言っています。』」

19 弟子たちは、イエスに命じられたとおりにして、過越の食事を準備した。

20 夕方になると、イエスは十二人と一緒に食事の席に着かれた。

21 一同が食事をしているとき、イエスは言われた。「はっきり言っておくが、あなたがたのうちの一人がわたしを裏切ろうとしている。」

22 弟子たちは非常に心を痛めて、「主よ、まさかわたしのことでは」と代わる代わる言い始めた。

23 イエスはお答えになった。「わたしと一緒に手で鉢に食べ物を浸した者が、わたしを裏切る。

24 人の子は、聖書に書いてあるとおりに、去って行く。だが、人の子を裏切るその者は不幸だ。生まれなかった方が、その者のためによかった。」

25 イエスを裏切ろうとしていたユダが口をはさんで、「先生、まさかわたしのことでは」と言うと、イエスは言われた。「それはあなたの言ったことだ。」



◆主の晩餐

26 一同が食事をしているとき、イエスはパンを取り、賛美の祈りを唱えて、それを裂き、弟子たちに与えながら言われた。「取って食べなさい。これはわたしの体である。」

27 また、杯を取り、感謝の祈りを唱え、彼らに渡して言われた。「皆、この杯から飲みなさい。

28 これは、罪が赦されるように、多くの人のために流されるわたしの血、契約の血である。

29 言っておくが、わたしの父の国であなたがたと共に新たに飲むその日まで、今後ぶどうの実から作ったものを飲むことは決してあるまい。」

30 一同は賛美の歌をうたってから、オリーブ山へ出かけた。



◆ペトロの離反を予告する

31 そのとき、イエスは弟子たちに言われた。「今夜、あなたがたは皆わたしにつまずく。

  『わたしは羊飼いを打つ。

  すると、羊の群れは散ってしまう』


  と書いてあるからだ。

32 しかし、わたしは復活した後、あなたがたより先にガリラヤへ行く。」

33 するとペトロが、「たとえ、みんながあなたにつまずいても、わたしは決してつまずきません」と言った。

34 イエスは言われた。「はっきり言っておく。あなたは今夜、鶏が鳴く前に、三度わたしのことを知らないと言うだろう。」

35 ペトロは、「たとえ、御一緒に死なねばならなくなっても、あなたのことを知らないなどとは決して申しません」と言った。弟子たちも皆、同じように言った。



◆ゲツセマネで祈る

36 それから、イエスは弟子たちと一緒にゲツセマネという所に来て、「わたしが向こうへ行って祈っている間、ここに座っていなさい」と言われた。

37 ペトロおよびゼベダイの子二人を伴われたが、そのとき、悲しみもだえ始められた。

38 そして、彼らに言われた。「わたしは死ぬばかりに悲しい。ここを離れず、わたしと共に目を覚ましていなさい。」

39 少し進んで行って、うつ伏せになり、祈って言われた。「父よ、できることなら、この杯をわたしから過ぎ去らせてください。しかし、わたしの願いどおりではなく、御心のままに。」

40 それから、弟子たちのところへ戻って御覧になると、彼らは眠っていたので、ペトロに言われた。「あなたがたはこのように、わずか一時もわたしと共に目を覚ましていられなかったのか。

41 誘惑に陥らぬよう、目を覚まして祈っていなさい。心は燃えても、肉体は弱い。」

42 更に、二度目に向こうへ行って祈られた。「父よ、わたしが飲まないかぎりこの杯が過ぎ去らないのでしたら、あなたの御心が行われますように。」

43 再び戻って御覧になると、弟子たちは眠っていた。ひどく眠かったのである。

44 そこで、彼らを離れ、また向こうへ行って、三度目も同じ言葉で祈られた。

45 それから、弟子たちのところに戻って来て言われた。「あなたがたはまだ眠っている。休んでいる。時が近づいた。人の子は罪人たちの手に引き渡される。

46 立て、行こう。見よ、わたしを裏切る者が来た。」



◆裏切られ、逮捕される

47 イエスがまだ話しておられると、十二人の一人であるユダがやって来た。祭司長たちや民の長老たちの遣わした大勢の群衆も、剣や棒を持って一緒に来た。

48 イエスを裏切ろうとしていたユダは、「わたしが接吻するのが、その人だ。それを捕まえろ」と、前もって合図を決めていた。

49 ユダはすぐイエスに近寄り、「先生、こんばんは」と言って接吻した。

50 イエスは、「友よ、しようとしていることをするがよい」と言われた。すると人々は進み寄り、イエスに手をかけて捕らえた。

51 そのとき、イエスと一緒にいた者の一人が、手を伸ばして剣を抜き、大祭司の手下に打ちかかって、片方の耳を切り落とした。

52 そこで、イエスは言われた。「剣をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる。

53 わたしが父にお願いできないとでも思うのか。お願いすれば、父は十二軍団以上の天使を今すぐ送ってくださるであろう。

54 しかしそれでは、必ずこうなると書かれている聖書の言葉がどうして実現されよう。」

55 またそのとき、群衆に言われた。「まるで強盗にでも向かうように、剣や棒を持って捕らえに来たのか。わたしは毎日、神殿の境内に座って教えていたのに、あなたたちはわたしを捕らえなかった。

56 このすべてのことが起こったのは、預言者たちの書いたことが実現するためである。」このとき、弟子たちは皆、イエスを見捨てて逃げてしまった。



◆最高法院で裁判を受ける

57 人々はイエスを捕らえると、大祭司カイアファのところへ連れて行った。そこには、律法学者たちや長老たちが集まっていた。

58 ペトロは遠く離れてイエスに従い、大祭司の屋敷の中庭まで行き、事の成り行きを見ようと、中に入って、下役たちと一緒に座っていた。

59 さて、祭司長たちと最高法院の全員は、死刑にしようとしてイエスにとって不利な偽証を求めた。

60 偽証人は何人も現れたが、証拠は得られなかった。最後に二人の者が来て、

61 「この男は、『神の神殿を打ち倒し、三日あれば建てることができる』と言いました」と告げた。

62 そこで、大祭司は立ち上がり、イエスに言った。「何も答えないのか、この者たちがお前に不利な証言をしているが、どうなのか。」

63 イエスは黙り続けておられた。大祭司は言った。「生ける神に誓って我々に答えよ。お前は神の子、メシアなのか。」

64 イエスは言われた。「それは、あなたが言ったことです。しかし、わたしは言っておく。

  あなたたちはやがて、

    人の子が全能の神の右に座り、

  天の雲に乗って来るのを見る。」

65 そこで、大祭司は服を引き裂きながら言った。「神を冒涜した。これでもまだ証人が必要だろうか。諸君は今、冒涜の言葉を聞いた。

66 どう思うか。」人々は、「死刑にすべきだ」と答えた。

67 そして、イエスの顔に唾を吐きかけ、こぶしで殴り、ある者は平手で打ちながら、

68 「メシア、お前を殴ったのはだれか。言い当ててみろ」と言った。



◆ペトロ、イエスを知らないと言う

69 ペトロは外にいて中庭に座っていた。そこへ一人の女中が近寄って来て、「あなたもガリラヤのイエスと一緒にいた」と言った。

70 ペトロは皆の前でそれを打ち消して、「何のことを言っているのか、わたしには分からない」と言った。

71 ペトロが門の方に行くと、ほかの女中が彼に目を留め、居合わせた人々に、「この人はナザレのイエスと一緒にいました」と言った。

72 そこで、ペトロは再び、「そんな人は知らない」と誓って打ち消した。

73 しばらくして、そこにいた人々が近寄って来てペトロに言った。「確かに、お前もあの連中の仲間だ。言葉遣いでそれが分かる。」

74 そのとき、ペトロは呪いの言葉さえ口にしながら、「そんな人は知らない」と誓い始めた。するとすぐ、鶏が鳴いた。

75 ペトロは、「鶏が鳴く前に、あなたは三度わたしを知らないと言うだろう」と言われたイエスの言葉を思い出した。そして外に出て、激しく泣いた。

                   新共同訳聖書(日本聖書協会発行)

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